泳がなくても楽しめる初めての海遊び

寄せては返す波の音、磯のにおい、海水の塩辛さ。どこまでも広がる海は、五感を刺激して、感性を豊かにできる貴重な場所です。小さな子どもでも楽しみ方はたくさんあります。今年の夏は家族で海へ出かけてみませんか?

五感を使って海で遊ぼう

 最近、プールでは上手に泳げても、海では泳げないという小中学生が増えているそうです。それは、海で遊んだ経験が少なく、海の本当の楽しさを知らないことが一因とも考えられます。さまざまな理由から、子どもをなかなか海へ連れていけないというご家庭もあるでしょう。けれども、海は子どもにかけがえのない体験をさせてくれる場所です。海を見て圧倒的な大きさを感じたり、波の音を聞いたり、潮風のにおいをかいでみたり、砂浜の感触を楽しんだり。まだ泳げない子どもでも、五感を使えば、十分楽しく過ごせます。
 今回は、「まだ泳げない子どもと、海でどんな風に遊べばいいかわからない」というママのために、小さな子どもから大人まで楽しめる海遊びを紹介します。海遊びをもっと楽しむためのコツもまとめました。ぜひ参考にしてください。

《耳、鼻、口を使って海を感じよう》 

子どもに次の質問をしてください。
ポイントは、目を閉じさせること。
視覚から入る情報はとても多いので、ほかの感覚が働きづらくなってしまうためです。

○「どんな味がする?」
 海のしょっぱさにびっくりする子どももいるでしょう。大きな声で「しょっぱい」と笑いながら言いましょう。

○「どんなにおいがする?」
 魚のにおい、のりのにおいなど、子どもが思いつくままに答えさせましょう。

○「どんな音が聞こえる?」
 波や風の音など、初めての音の発見を楽しみましょう。「ザブーン」など、声に出して音を表現するのもいいでしょう。

【初めての子どもも楽しめる、海遊び】

●海辺で拾った貝などでマラカスを作ろう

○用意するもの(海に持参するもの)
・ペットボトル ・ビニールテープ

○作り方
①ペットボトルに貝殻や砂、小石を入れる。
②ペットボトルのフタを閉めて、ビニールテープでしっかり留める。

●箱メガネを作って生き物を観察しよう

○用意するもの(海に持参するもの)
・牛乳パック
・カッターナイフ ・ラップまたはポリ袋 ・輪ゴム

○作り方
①下の絵のように、牛乳パックの上と下を切り落とす。
②下の絵のように切り落とした片方の4つの角に、5㎝くらいの切り込みを入れて、任意の1ヵ所を谷折りにし、その対面の箇所も谷折りにする(折った部分が持ち手になる)。
③切り落としたもう片方にラップ、またはポリ袋をきっちり貼って、輪ゴムで留める。
※小さな生き物がたくさんいる磯で行なうといいでしょう。

≪column≫~~~海遊びをもっと楽しむために~~~ 

○冷えやすい子どもの体に気をつけて
 紫外線と同じくらい気をつけたいのが、子どもの体の冷え。大人は手足に冷えを感じても体の中心部に達するまでには、ある程度の時間がかかります。でも、体の小さな子どもは、冷えが体の中心部にすぐに伝わってしまいます。親は自分の感覚ではなく、子どもの様子をよく観察してあげてください。

○ベトベトの髪には乾く前に水をかけて
 海からあがった後の、ベトベトする髪の毛が苦手という人も多いでしょう。それは炎天下で水分が蒸発して、塩分濃度が高まることが原因です。そんなべトベトを解消するためには、海からあがって髪の毛がぬれているうちに、たっぷりの真水をかけるのがおすすめです。

☆月刊誌『灯台』2012年8月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載