準備万全!思いっきり楽しむ泥遊び

泥遊びは、子どもの感性を豊かにしてくれる遊びの一つ。事前の準備を整えて、親子で一緒に思いっきり楽しんでみてはいかがでしょうか?

全身をフルに使って、泥遊びを楽しもう!

 後片づけの大変さから、最近は、子どもが泥遊びをするのをあまり好まないママやパパが多いといいます。汚れた服や靴を洗濯することを考えると、できれば避けたいと思ってしまうのも、無理もないことかもしれません。
 一方で、泥の感触を楽しみ、何をつくろうかと想像を膨らませながら行う泥遊びを、子どもの五感を刺激する「感覚遊び」として積極的に取り入れている幼稚園や保育園は、少なくありません。屋外で全身を使って遊ぶ泥遊びは、子どもにとって、「遊びきった!」という満足感を得やすい遊びです。ママやパパも一緒に遊べば、親子のコミュニケーションが図れますし、普段はあまり触らない泥の素朴で自然な感触に、大人もリフレッシュできるかもしれませんね。
 事前の準備をしっかりと整えて、ご家庭でも、子どもがのびのびと泥遊びを楽しめるようなサポートをしてあげましょう。

のびのびと泥遊びを楽しむためのコツ

子どもが夢中で遊んでいる時に、「服を汚してはダメ!」などとは言いたくないもの。のびのびと遊べるような工夫は、どういったものがあげられるでしょうか?

服や靴は、汚れてもよいものを

 服と靴は、汚れてもよいものを選びましょう。色は紺や黒などの汚れの目立たないものがおすすめ。古くなった洋服を泥遊び専用に用意しておくと、汚れを気にせずに遊べます。また、雨の日用のレインパンツもおすすめ。撥水加工がされているので、ふき取るだけで汚れが落とせます。靴も暖かい日なら、洗った時の乾きが早いサンダルなどがよいでしょう。

泥汚れの落とし方のコツ

 泥汚れは、そのまま洗濯機で洗ってもなかなかキレイになりません。次の手順で落としましょう。

①泥がたくさんついている場合には、まず泥をよく乾かします。水を使って洗い流すと、泥が服の繊維のなかまで入り込んでしまうので避けるようにしてください。

②泥が乾いたら、泥のついた部分を軽くたたいて、できるだけ泥を落とします。ブラシなどを使って泥をかき出すのも効果的です。

③表面の泥を落としたら、繊維のなかに入り込んだ汚れを落とすために、洗剤を溶かした40℃くらいのお湯に30分ほどつけ置きをしておきましょう。汚れている範囲が狭ければ、固形石けんなどをすり込んでつまみ洗いをしてもOK。最後に洗濯機に入れて洗濯します。

衛生に配慮しよう

 泥のなかにはたくさんの雑菌がすんでいるため、泥遊びが終わったら必ず石けんで手をしっかりと洗うことが大切です。また、傷口があると、雑菌が入り込んでしまうことがあるので、手足に傷がある時には、泥遊びは避けたほうがよいでしょう。

泥遊びデビューはいつから?
 泥の感触や温度を肌で感じることが泥遊びの第一歩。泥を握ったりつまんだりして感触を楽しむことなら、1歳くらいから始められます。無理強いはせず、公園に遊びに行った時などに少しずつ慣れていくとよいでしょう。

想像力をひろげて、泥遊びを楽しもう!

子どもたちは、こねたり、丸めたり、自由自在に変化する泥を使って、次から次へとさまざまな遊びを生み出します。そこにママやパパの手助けが加わることで、遊びの幅がひろがるので、ぜひ一緒に楽しんでみてください。

▶おままごと

 型抜きやおだんごづくりなど、つくる楽しみがひろがるのは、泥を使ったおままごとならでは。バケツやシャベル、じょうろなどの砂場セットに加えて、古くなったお椀やコップなどでも楽しめます。身近な道具を活用してみましょう。

※ペットボトルの切り口には、ビニールテープなどを貼りましょう

 仕切り付きの使い捨て容器などを押し型として使えば、容器の形そのままに泥が固まります。いろいろな容器を使ってどんな形ができるのか、試してみると楽しそうですね。木の実や葉っぱでデコレーションすれば、ケーキやお弁当のできあがり♪
 

山、川、トンネル、お城づくり

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 バケツやシャベルを使って、山や道などをつくってみましょう。つくったり壊したりを繰り返すなかで、創造力が育まれます。汚れても構わないミニカーや電車のおもちゃを走らせても楽しいですね!
 
 
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 穴を掘って水を流し入れ、川や海のようにしてもよいでしょう。大人が手伝えば、もっとスケールの大きな作品もできそうです。

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 次のような道具も役立ちます。
かまぼこの板……コテのように使って、表面を固めたりならしたりすることができます。道やお城の階段をつくったりする時に便利。
底をくりぬいたバケツ……上から少しずつ土を入れることで、しっかりと固めることができます。砂を積んだ塔のようなものをつくる時に役立ちます。

※カッターは大人が扱いましょう

光る泥だんごづくりに挑戦!

泥遊びの定番の泥だんごづくり。最近は、ピカピカに光る泥だんごが人気を集めています。根気のいる作業ですが、キレイにできあがった時の達成感は格別! コツをつかむまで時間もかかるかもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください。

光る泥だんごのつくり方

①砂場の砂に水を多めに加え、泥だんごをつくります。水気が少ないと崩れやすいので、水を多めに加えてからつくりましょう。なかの水分を絞り出すつもりで、ギュッギュッと握りしめて硬くしていきます。

②ある程度固まってきたら、キレイな丸い形になるように整えます。

③形が整ったら、乾いた砂をかけて、ギュッギュッと握りしめる作業を繰り返します。なかの水気がしみ出してくると泥だんごが黒っぽくなるので、その上に乾いた砂をまたかけます。少しずつ乾いた砂をかけて、時間をかけて硬くしていくことで、しっかりとした泥だんごになります。この時にふりかける砂は、砂場の砂のようにサラサラなものにしましょう。

④③を繰り返し、表面がなめらかになってきたら、直射日光を避けた風通しのよい場所で、30分~1時間程度乾燥させます。

⑤乾燥させた泥だんごに被膜をつくっていきます。風で舞い上がるような細かい乾燥した砂を、薄く手の平につけて、泥だんごの表面をやさしくなでていきます。これを繰り返すと、少しずつ泥だんごの表面に光沢が出てくるのがわかります。

⑥被膜ができてきたら、ストッキングを使って丁寧に磨いていきます。キレイな表面が出てくると、泥だんごは光るようになります。

※泥だんごのなかの水分が表面に出てくると、光が失われていきます。風通しのよい日陰に置いて乾燥させた後、もう一度磨いていきましょう。

☆月刊誌『灯台』2020年10月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載