脳と身体を育てる 音遊びとリズム遊び

音遊びやリズム遊びは、音への興味や聴く力、リズム感、表現力など、子どもの発達に不可欠なさまざまな力を、無理なく楽しみながら育みます。楽器がなくても楽しめるさまざまな遊びを紹介します。

音やリズムに合わせて声を出したり、身体を動かして遊んでみよう!

 子どもたちは、音楽やリズムに合わせて身体を動かすことが大好き! 今回は、おうちで簡単に楽しめる、音遊びとリズム遊びを紹介します。楽器などの特別な道具は用意しなくても大丈夫。まずは、あまり難しく考えずに、身の回りのさまざまな音を聞いて、声に出してまねをしたり、リズムに合わせて身体を動かしたりして、楽しむことから始めてみましょう。
 音遊びやリズム遊びは、発達段階の脳や身体に刺激を与え、音への興味や聴く力、リズム感、表現力などの基礎を養うことができる遊びです。また、親子で肌をふれあい、呼吸を合わせながら遊ぶことは、子どもにとっても、親にとっても心が満たされる時間になりますよ。どの遊びも、短い時間で手軽にできるものばかりなので、忙しいママやパパも、ぜひ子どもと一緒にやってみてください。

音遊びで、音のおもしろさを感じよう!

大人にとっては当たり前の音も、子どもにとっては新鮮な驚きや発見がいっぱい! 音のおもしろさを知れば、音に対する興味が高まります。

身の回りにある「音」を探してみよう!

身の回りには、さまざまな音が溢れています。子どもに「どんな音が聞こえるかな?」と声をかけ、耳をすましていろいろな音を聞き、聞こえた音を声に出して表現してみましょう。風の音、車の音、家電や空調が動く音、人の話し声など、さまざまな音に気がつくでしょう。

なんでも演奏ごっこ

コップや積み木、空き瓶や空き缶、空のペットボトルなど、たたいた時に音が出るものを集め、割り箸でたたいて音を出して、音の違いのおもしろさを感じてみましょう。好きな歌を歌いながら、リズムに合わせて、自由に演奏を楽しんでもよいですね!

脳と感覚を養う音遊びとリズム遊び

音名を覚えて身体を動かしたり、リズム感を養ったりする遊びをしてみましょう。脳に刺激を与えることで、運動能力や理解力の向上にも役立ちます。

▶ドレミ体操

ドレミファソラシドの音名を、身体の動きで表現します。楽しみながら、音名と音階を知ることのできる遊びです。

<遊び方>

①子どもと一緒に、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」と声に出しながら、音名のポーズをします。

つま先を触る


ひざを触る


腰に手を当てる


肩に手を当てる


ほっぺたに手を当てる


頭に手を当てる


頭の上に手をあげる


頭の上で両手で〇をつくる


②親が音名を言いながら動き、子どもはまねをします。慣れてきたら、親と子の役割を逆にしてもよいでしょう。

③きらきら星など、子どもの知っている、簡単な曲のメロディーを音名で歌いながら、身体でも表現して遊んでみましょう。

▶リズムで手遊び

親子で向かい合って、「イチ・パ」「イチニ・パ」「イチニサン・パ」と言いながら、リズミカルに手を合わせて遊びます。相手のリズムを感じながら、息を合わせて行うのがコツ。

<遊び方>

親子で向き合って座ります。「イチ・パ」「イチニ・パ」「イチニサン・パ」と数字を声に出して言いながら、数字と同じ回数、自分の手をたたき、「パ」では、相手と手を合わせます。「イチニサン・パ」の後は、「イチニ・パ」「イチ・パ」の順番で、数字を減らしていきましょう。

※スムーズにできるようになってきたら、スピードアップ! 数字を増やしたり、人数を増やして遊んでも盛りあがります。

3人以上で遊ぶ時には、輪になって座り、「パ」のタイミングで隣の人と手を合わせます。

▶コップでドレミ

同じ形のガラス製のコップに、水を入れて、割り箸でたたいて音を鳴らしてみましょう。コップの水量が多いほど、低い音になり、水量が少ないほど高い音になります。うまく調整すれば、「ドレミファソ」と音階を表現して、演奏することもできますよ。

☆月刊誌『灯台』2020年8月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載