家の中の事故防止――いざというときの応急処置

子どもの事故やケガは、実は室内がいちばん多いと言われています。未然に防ぐために日ごろから注意が必要ですが、万が一のときの応急処置も覚えておきましょう。

子どもの目線でチェックすることが必要

 
 ママが隣の部屋にいる間に子どもの大きな泣き声が。急いで駆けつけるとドアに指をはさまれていた、なんてことはありませんか。見渡せば家の中には、危険がいっぱい潜んでいます。特に冬はストーブやこたつなどの暖房器具を使うので、やけどにも気をつける必要があります。
 事故を防ぐには、日ごろの注意が第一です。
 大人が思いもよらないものに興味を示したり、昨日までできなかったことができるようになり、行動範囲が広がったり、想像以上に高いところに手が届いてしまったりする場合もあります。子どもの目線になって、床に危険なものが落ちていないか、手が届くところに危ないものがないかチェックしておきましょう。
 誤飲したら危険なものはドアが開かないようなところにしまう、コンセントやテーブルの角にはカバーをつける、踏み台になるようなものは床に置かないなどの対策をしましょう。
 万が一、事故が起きてしまったら、とにかくあわてないこと。
 応急処置をした後で子どもの様子を観察して、病院へ行ったほうがいいかどうかを判断しましょう。

子どもの危険エリアを再点検しよう

 
 子どもの成長とともに、室内の危険エリアも変化します。日頃から子どもの視点で見るくせをつけましょう。
 万が一の事故には、ママの素早い対応がその後の状態を左右することもあるので、とっさのケアの方法も覚えておきましょう。その上でいつもと違った症状があれば、病院へ行きましょう。

ここが危ない!室内の意外な危険ポイント

 
・キッチン
 低い位置に置いた炊飯器や電気ポットは、その蒸気でやけどをすることが。包丁など刃物が出しっぱなしになっていないかもチェック。

・トイレ
 おふろの残り湯には注意しても、意外にトイレは見落としがち。便器をのぞきこんで頭から落ちてしまうケースも。トイレのドアは閉めておきましょう。

・ベランダ
 踏み台となるようなものは置かないのはもちろん、植木鉢やエアコンの室外機の位置を再確認。

万が一の事故での応急処置 

 
●誤飲・窒息
 
 突然咳き込む、呼吸が苦しそう、顔色が悪いなどの場合は、異物がのどに詰まって窒息しかかっている危険性があります。ものが口の中に見えている場合は、子どもを横向きに寝かせて人差し指を頬の内側に沿って入れ、かき出します。なかなか出てこない、呼吸が弱くなったなどの場合は、救急車を呼びましょう。
 子どもの口は500円玉より大きく開きます。誤飲の恐れのあるものは、赤ちゃんの手の届かないところに置きましょう。

〈誤飲した場合の処置〉
・化粧品、クレヨン・・・水を飲んで吐かせる
・たばこの吸い殻入り水・・・吐かせて救急車を呼ぶ
・シャンプー、リンス・・・牛乳を飲んで吐かせる
・指輪、ピアス、画びょう、硬貨、ボタン電池、トイレ用洗剤、漂白剤、除光液、灯油・・・吐かせず救急車で受診

●やけどをした
 
 すぐに流水で20分以上冷やします。範囲が広い場合はシャワーで水をかけます。
 衣類の上から熱湯などをかぶった場合は、脱がせると皮膚ごとはがれてしまう場合があるので、衣類の上から水をかけます。
 患部が10円玉より小さく、赤くなっているだけで痛みがないなら応急処置で様子を見ましょう。ただし、カイロや湯たんぽによる低温やけどの場合は、少し赤い程度でも、よく冷やしてから受診を。

〈受診の目安は?〉
 水ぶくれができてしまった場合や、患部が顔や頭、または500円玉以上の大きさのやけどの場合は受診。

●出血した
 
 傷口を流水で洗い流します。傷口を心臓より高い位置にし、数分間清潔なガーゼなどで圧迫し、止血しましょう。血が止まったら消毒し、ガーゼや包帯などでカバーします。ドアに指をはさむなどして内出血しているときは、濡れタオルなどで冷やし、痛みが続くようなら受診します。

〈受診の目安は?〉
傷口に異物が入っている、出血が多く止まらない、傷が大きくて深いなどの場合は受診します。

☆月刊誌『灯台』2011年2月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載