寝かしつけがぐんと楽になるコツ

子どもがなかなか寝てくれないとたまった家事ができなくて、ついイライラ。そんなママの悩みを解決する子どもの寝かしつけのコツをご紹介。子どもの睡眠についても解説しましたので、ぜひ参考にしてください。

成長期の子どもにとって大切な睡眠

 子どもの就寝時間は年々遅くなる傾向にあります。夜10時以降に就寝する子どもの割合は20年前と比べて2~4倍にも増え、生活リズムが夜型になっていることがわかっています。1歳6ヵ月で夜10時以降に寝る子どもが55%もいる、という結果も出ています(『子どもの生活リズム向上ハンドブック』文部科学省)。
 子どもの体には夜眠っている間に、体を休めるホルモン「メラトニン」や、成長ホルモンが分泌されます。体内のリズムが狂うと、ホルモンの分泌が悪くなり、さまざまな生活上の問題が現れてしまいます。たとえば「日中元気がない」「夜なかなか寝ない」など。さらに就学すると「忘れ物が多い」「集中力がない」なども。このような事態を防ぐためにも、成長期の子どもにとって睡眠を十分とることはとても大切なのです。
 大人とは異なる子どもの睡眠。子どもの睡眠の特性をよく知ることで、なかなか寝ないという子どもでも、早く寝るようにしていけます。ただし睡眠には個性があります。わが子がどのタイプかチェックして、早寝を身につけさせるようにしましょう。

大人とは異なる子どもの鋭敏な感覚

 子どもと大人の感覚では異なる点がたくさんあります。たとえば子どもは大人に比べて音や光に敏感です。親が刺激を感じない程度の明るさや音でも、子どもは不快に感じ、それが原因で寝つけない場合もあります。子どもの感覚でよくチェックして、眠れない問題を解消してあげることが早寝につながります。


子どもの睡眠について知っておくと便利なこと

寝すぎが原因かも!?

 子どもも大人同様、適度な睡眠をとっている場合は眠気を感じません。朝寝坊や昼寝が原因で睡眠時間が長くなりすぎていませんか? 理想的な睡眠時間を参考に寝すぎの場合は早起きさせる、昼寝の時間を減らすなどの対処をしましょう。ただし睡眠時間には個人差があります。子どもの様子をよく見て、睡眠時間の過不足を判断しましょう。

理想的な睡眠時間
(夜の睡眠と昼寝の時間の合計)
1~2歳代 平均12~14時間
3歳代   平均12時間30分
4~5歳代 平均11時間30分

部屋が明るすぎるのかも!?

 子どもは大人よりも光や音に敏感です。眠るときには暗く、静かな環境を整えてあげましょう。また、子どもは大人よりも暑がりなので、寒い冬でも温めすぎには十分注意を。布団の掛けすぎは暑苦しく感じて寝つけない原因になります。部屋の適正温度の目安は、冬は18~22度、夏は25~28度、適正湿度の目安は50~60%です。

子どもがぐっすり眠る寝具の選び方

 新陳代謝の高い子どもは、夜寝ている間もたっぷり汗をかきます。子どもがよく布団からはみ出してしまうのも、吸湿・発散性の悪い寝具のせいで蒸れて不快に感じるため、とも考えられます。子ども用寝具は吸湿と発散を重視して選ぶようにしましょう。寒いからといって、吸湿性の少ないアクリル毛布を選ぶと、蒸れ感が増大するので避けたほうがいいでしょう。


なかなか寝ない子どもの寝かしつけのコツ5

①入眠儀式を決めよう
 眠る前に決まった行動パターンをさせると、自然と眠りにつくことができます。例えば、絵本を読み聞かせる、歌を歌う、音楽を聴かせる、お気に入りの毛布を掛ける……など。ただし、モノを使うときは複数用意すること。子どもがモノに執着しすぎて、それがないと眠れない、という事態を避けるため。

②早起きをさせる
 毎朝決まった時間に起こす。早起きは早寝につながります。寝室は薄地のカーテンにして、朝日が入るようにするのもいいでしょう。

③午後もたっぷり運動させて
 1歳を過ぎて体力がついてくると、午前中の遊びだけでは体が十分に疲れません。午後、特に15時以降に積極的な運動遊びをさせると、しっかりエネルギーを発散でき、夜の就寝時刻を早めることができます。

④お風呂は就寝の1~2時間前までに
 寝る直前にお風呂に入ると脳が活発化し、就寝が遅くなってしまいます。お風呂へは就寝の1~2時間前に入るようにしましょう。

⑤ママが寝たふりをする
 寝かしつけの定番の添い寝。さらにママが添い寝をしながら寝たふりをすると、つられて一緒に寝てしまう可能性があります。

☆月刊誌『灯台』2012年2月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載