くっつく? くっつかない? 好奇心を刺激する磁石遊び

磁石の特性を生かしたおもちゃが数多くあることからもわかるように、子どもは磁石遊びが大好きです。遊びのなかで不思議なことに触れ、驚いたりワクワクしたりすることは、子どものさまざまな力を育みます。

くっつく! という知的な気づきが好奇心と探究心をかき立てる

 冷蔵庫、玄関のドア、トイレの水を流すレバーなど、家の中を見まわすと金属製のものがたくさんあります。そのなかでも特定のものだけに磁石がくっつくことを発見したら、この不思議な現象に子どもの興味は一気に高まり、夢中になって磁石がくっつくものを家中探しまわることでしょう。
 一見同じもののように見える金属でも、磁石がくっつくもの、くっつかないものがあることや、磁石同士の反発する力を知ることで、より一層好奇心は刺激されます。
 なぜくっつくんだろう? と不思議に思ったり、くっつくもの・つかないものの違いは何だろう? と考えたり……。こうして遊びの中で科学に触れさせることは、周囲の世界に対する関心や知的好奇心を高め、自分なりに考える力や想像する力を育むことでしょう。

●くっつくものを探そう!
 家の中で磁石がくっつくものを探してみましょう。磁石は文具店やホームセンターなどで簡単に手に入ります。ただし、誤飲すると大変危険なので、大きめのものを選ぶとよいでしょう。
 屋外にも道路標識のポールや金網など、磁石がくっつく鉄製のものはたくさんあります。お散歩がてら、くっつくものを探してみると楽しいでしょう。

【磁石で遊ぼう!】

■磁石で魚釣り

〈用意するもの〉
磁石(小1個)、割り箸、ひも(20cm~)、厚紙、クリップ、大きめの箱、はさみ、セロハンテープ、色フェルトペン
〈遊び方〉
①磁石をひもの先にテープで固定し、ひもの反対側の先を割り箸にくくり付けて釣り竿を作る。
②厚紙を魚の形に切り取りフェルトペンで色付けする。口の部分にクリップを付ける。
③箱の中に厚紙の魚を重ならないように置いたら、釣り竿で魚を釣って遊ぶ。
--◆ポイント--
ひもを長くすれば難易度があがります。

■磁石でボウリング

〈用意するもの〉
丸形の磁石(小4個~)、段ボール(A4サイズ以上1枚)、カッター、セロハンテープ、ペン
〈作り方〉
①段ボールの端にピン用の磁石を置いて型を取り、カッターで切り抜く。
②①の穴に磁石をはめ込み裏からテープで固定する。
③ボール用の磁石を置く場所を決め、ペンで丸く印をつける。ボール用の磁石を指ではじいて、ピン用の磁石にくっつけて遊ぶ。
--◆注意--
ピン用とボール用の磁石は、くっつく種類のものを使いましょう。

■磁石でレース

〈用意するもの〉
磁石(2個)、牛乳の空きパック(500ml1個)、太いストロー(直径6mm・長さ8cmほど、2本)、細いストロー(直径4.5mm・長さ11cmほど、2本)、ペットボトルのふた4個、はさみ、きり、セロハンテープ
〈作り方〉
①牛乳パックで車体を作る。車体の底側の前後に、太いストローを水平になるようにテープで貼って固定し、その中に細いストローを差し込む。
②ペットボトルのふたの中心にきりで穴をあけ、細いストローの端に差し込み、テープで固定する。
③磁石を車体の後ろにテープで貼って固定する。
④車体に付けた磁石に、もう1個の磁石の反発し合う側をあて、磁石の反発力で車体を前に動かして遊ぶ。

☆月刊誌『灯台』2013年8月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載