みんな大好き!お絵描き遊び

お絵描きは、子どもにとって自分を表現する手段の一つ。自由自在に描く楽しさを大人も一緒に味わってみてください。

さまざまな表現方法でお絵描き遊びをもっと楽しもう!

 子ども時代に誰もが夢中になるお絵描き。子どものお絵描きは、どろんこ遊びと同じように、感覚遊びの一つです。クレヨンなどを紙に押しつけたり、こすりつけたりと、初めて触るものがどんなものなのか、その感触を確かめるなかで「なぐり描き」が始まり、徐々にものの形を描く表現へと遊びが広がっていくのです。
 今回は、そんなお絵描きを存分に楽しめる、さまざまなお絵描きのアイデアを紹介します。いつもとはひと味違ったお絵描き遊びは、大人にとっても、心を解放してくれる楽しい時間。ママやパパも、一緒に手を動かして、自分の好きな色や形で、自由自在に描く楽しさを思い出してほしいと思います。
 また、絵を描いている子どものそばで、共感や興味をもってコミュニケーションをとりながら見守る時間も大切にしてください。使える言葉の数が少ない子どもにとって、お絵描き遊びは、自分を表現する手段の一つでもあります。ママやパパに見守られる安心感のなかで、自分の好きな絵をのびのびと楽しく描いている子は、自己肯定感の根っこがしっかりと育ち、気持ちも安定していきます。

1~2歳児におすすめのお絵描き遊び

お絵描きの始め時は?
お絵描きの始め時は、だいたい1歳頃から。ものをしっかりと握れるようになれば、始められます。まずは、太めで握りやすく、なめらかな描き心地のクレヨンを用意して、ママやパパが使い方の手本を見せてあげましょう。クレヨンを紙にこすりつけたりすることから始まり、発達に応じて、だんだんとさまざまな種類の線が描けるようになってくるでしょう。初めて触るクレヨンや絵の具は、口に入れても安全なものを選ぶと安心です。

スタンプお絵描き

小さい子でも取り組みやすいスタンプを使ったお絵描きです。絵の具をつけてポンポンと押すだけで、かわいい模様がつくれます。数種類の色を用意すると、さらに楽しむことができますね。

▶用意するもの
スポンジ、タコ糸、画用紙、絵の具、絵の具を溶かすパレット

【遊び方】
①スポンジをサイコロ状に切り(一辺=4cm程度)、図のようにタコ糸で縛る。
②パレットに、絵の具と水を入れて溶いておく。
③絵の具をスポンジにつけて、スタンプのように画用紙に押していく。

こんなものも、スタンプになるよ!

野菜の断面

トイレットペーパーのしん

段ボールの切れ端

3~5歳児におすすめのお絵描き遊び

お絵描きに慣れてきた3~5歳児は、お絵描きを存分に楽しむことができるように、画用紙や水性マーカー、色鉛筆などを、自分で取り出せる場所に置いてあげるとよいでしょう。時には、いつもと違う道具を使って、さまざまな表現の方法にチャレンジしてみるのも楽しいですよ!

はじき絵

白色の紙の上に絵の具を塗ってみると、見えなかった絵が浮かび上がってくる不思議なお絵描きです。

▶用意するもの
白色のクレヨン、画用紙、絵の具、筆、絵の具を溶かすパレットや小皿

①絵の具をパレットに出し、水を多めに入れて溶いておく。
②白色のクレヨンで、画用紙に好きな絵や模様を描く。
③上から、好きな色の絵の具を塗る。

にじみ絵

いろいろな色の絵の具がにじむ様子を楽しみましょう。いつの間にか、とてもきれいな模様ができあがっていますよ!

▶用意するもの
画用紙、絵の具、水、筆、絵の具を溶かすパレットや小皿、筆を洗う容器

①絵の具をパレットに出し、水を多めに入れて溶いておく。
②筆全体で画用紙に水を塗る。
③筆で絵の具を画用紙の上におくと、絵の具がゆっくりと広がってにじんでいく。

ステンシル

画用紙を切り抜いてつくった型紙を当てて、ステンシルの要領で色をつけていきましょう。

▶用意するもの
ガーゼなどの布、綿、輪ゴム、画用紙、絵の具、絵の具を溶かすパレットや小皿、はさみ

①布を15cm×15cmほどの大きさに切り、中央に綿をのせて包んで、輪ゴムで縛り、タンポをつくる。
②画用紙を好きな形にはさみで切り抜き、型紙をつくる。
③パレットに、絵の具と水を入れて溶いておき、タンポにつけて、画用紙の上に置いた型紙の周りにスタンプのように押しながら、模様をつくっていく。

吹き絵

たらした絵の具をストローで吹いて、偶然できた模様を楽しむお絵描き。できあがった模様を何かに見立てて、絵の具やクレヨンで加筆をしても面白い作品に!

▶用意するもの
画用紙、筆、絵の具、絵の具を溶かすパレットや小皿、ストロー、筆を洗う容器

①絵の具をパレットに出し、水を多めに入れて溶いておく。
②絵の具を筆にとり、画用紙の上にポタポタと垂らす。
③絵の具の水滴をストローで吹くことでできる模様を楽しむ。吹く強さや方向を変えたりすると、絵の具がいろいろな方向に広がっていく。

デカルコマニー

デカルコマニーとは合わせ絵のこと。絵の具を塗りつけた画用紙を二つ折りにして、絵の具を転写させ、偶然できた模様や色合いを楽しみます。できた模様を何かに見立てて、加筆してもよいでしょう。

▶用意するもの
画用紙、絵の具、筆、絵の具を溶かすパレットや小皿、筆を洗う容器

①絵の具をパレットに出し、水で溶いておく。
②画用紙を半分に折ってから広げ、片方の面に、筆で絵の具をたっぷりとのせる。
③絵の具が乾く前に、画用紙を半分に折り畳み、ゆっくりと紙を広げる。

なぞり描き

厚紙をくり抜いてつくった型をなぞって絵を描きます。線を描く練習になるため、お絵描きが苦手な子にもおすすめです。

▶用意するもの
厚紙、カッター、画用紙、色鉛筆またはクレヨン

①厚紙を、好きな形にカッターでくり抜いて、型をつくる。
②型の形を色鉛筆やクレヨンでなぞりながら、さまざまな形を描く。いろいろな形を組み合わせることで何が描けるかを、親子で話し合っても楽しい。

こすり出し

凹凸のあるものの上に薄手の紙をのせて、色鉛筆やクレヨンでこすると、だんだんと模様が浮き出てきます。家のなかだけでなく、屋外に出ていろいろな模様を探してみてもよいですね。

▶用意するもの
薄手の紙(コピー用紙など)、色鉛筆またはクレヨン、凹凸のあるもの(コイン、木の葉、石など)

①凹凸のあるものの上に薄手の紙をのせて、色鉛筆やクレヨンでそっとこする。
②いろいろな模様を集めたら、切り取って、コラージュにして遊ぶのも楽しい!

☆月刊誌『灯台』2019年12月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載